普段、私は一眼レフカメラを使って風景などの写真を撮影しているのですが、今回、初めて「360度カメラ」を手にする機会がありました。
360度カメラは、Googleストリートビューのような写真が撮影できるカメラで、1枚写真を撮ると360度全方位を撮影することができます。
Googleストリートビューの撮影は自動車の上に大きなカメラを搭載して撮影していますが、今回手にした360度カメラは、iPhoneを片手で握りやすくスマートにした程度の小さな360度カメラです。
そこで今回は、360度カメラとは『どのような機材なのか』『どのような画角で撮影できるのか』『どのような撮り方があるのか』実際に撮影して調べてみました。
今回の記事では、2019年12月に発売された360度カメラ RICOH THETA SC2(リコー シータ SC2)を使って
- 360度カメラの使い方
- 360度カメラで撮影できる写真
- RICOH THETA SC2のレビュー
をご紹介いたします。
360度カメラとは…?
360度カメラはその名の通り、360度全方位の景色を撮影することができるカメラです。
撮影した写真は、以下のような作例で見ることができます。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
また、撮影した360度写真から、自分が好きな一部分を切り出すことが可能です。以下の3枚は同じ360度写真を編集して切り出したものです。
様々な角度から360度カメラ特有の写真を楽しむことができます。
※上記の写真はRICOH THETA SC2で撮影し、専用のスマホアプリ「THETA+」で編集しました。RICOH THETA SC2は撮影した写真や動画はWI-FIもしくはBluetoothで直接スマホに転送することができます。(※アプリについては後ほど記述します)
【レビュー】360度カメラ「RICOH THETA SC2(リコー シータ SC2)」
それでは、今回使用する360度カメラについてご紹介したいと思います。
今回使用する360度カメラは、2019年12月にリコーから発売された「RICOH THETA SC2(リコー シータ SC2)」です。
初心者向けのエントリー機で、2016年10月に発売された「RICOH THETA SC」の後継機にあたる機種です。価格は以下の通りです。
RICOH THETA SC2の特徴としては
- 初心者向けのカメラ
- コンパクトで軽い
- 4K・高画質で動画が撮影できる
- カラーバリエーションが豊富
- 3万円台のお手頃価格
360度カメラとしては3万円台というお手頃価格で購入することができます。
「RICOH THETA SC2」で使える機能
RICOH THETA SC2は、専用のスマホアプリと連携させて使用すると、いろいろな機能を使って撮影を楽しむことができます。
RICOH THETA SC2では
- 写真
- 動画
の両方を撮影することができます。
撮影したデータはカメラ本体に記録(最大14GB)され、wi-fiもしくはBluetooth接続を使ってスマホに転送することができます。
写真撮影
写真撮影では
- 顔モード:人物の顔を検出し、画像の中心に配置するほか、露出補正やノイズリダクションにより、顔を美肌に見せるモード
- 夜景モード:画像合成によるノイズ低減やダイナミックレンジ補正によって夜間でもきれいに撮影できるモード
- 車窓モード:2つのレンズを独立して制御することで、車内外や舞台など大きな明暗差があるシーンで対象物を明るくはっきりと撮影できるモード
の3つのモードがあらかじめプリセットされています。
撮影シーンに合わせてモードを切り替えることで、その場に応じてキレイな写真を撮影することができます。
さらに、一般的なカメラと同じように
- オート撮影
- シャッタースピード優先撮影
- ISO優先撮影
- マニュアル撮影
の4つを切り替えて撮影することができます。(※絞り優先の撮影モードは搭載されていません)
これにより、夜景や星空の撮影も可能になります。
動画撮影
動画撮影の解像度は
- 4K(3840×1920)
- 2K(1920×960)
から選んで撮影することができます。
なお、動画撮影では
- 連続撮影時間:3分間
と連続撮影できる時間が決まっています。
3分と短いので考えて撮影しなくてはいけない分、余分な移動シーン等をカットできるので撮影後のデータ管理が楽になりますね!
主な仕様
RICOH THETA SC2の主な仕様は以下の通りです。
- シャッタースピード:1/25000秒~60秒
- ISO感度:ISO64~3200
- ホワイトバランス:オート、屋外、日陰、曇天、白熱灯1、白熱灯2、昼光色蛍光灯、昼白色蛍光灯、白色蛍光灯、電球色蛍光灯、水中、色温度(2500K~10000K)
自撮り棒「RICOH THETA Stick」
特定の機種に限らず、360度カメラで撮影を行う場合には、自撮り棒や一脚・三脚をカメラ本体に取り付けることで様々なアングルから撮影することができます。
今回の撮影では、基本的に自撮り棒「RICOH THETA Stick TM-2」を使用して撮影を行いました。自撮り棒本体にも三脚ネジが付いているため、そのまま三脚に取り付けることも可能です。
RICOH THETA Stickは、長さの違う2種類「RICOH THETA Stick TM-2」と「RICOH THETA Stick TM-3」があります。
ロングタイプ「RICOH THETA Stick TM-2」
縮長229mm、伸長836mm
重さ約155g
小型軽量タイプ「RICOH THETA Stick TM-3」
縮長177mm、伸長423mm
重さ約80g
水中ハウジングケース
30m防水のTHETA専用本格防水ハウジングケースも発売されています。
THETA SC2を含む、THETAシリーズによる水中撮影が可能で、シュノーケリングやスキューバダイビングなどの水中や海中の世界も360度で撮影できます。
RICOH THETA 専用アプリ
RICOH THETAシリーズの360度カメラで撮影・編集する時に使える公式アプリが無料でリリースされています。
アプリをダウンロードしなくてもカメラは使うことはできますが、アプリをダウンロードすればより一層360度カメラを楽しむことができます。
撮影アプリ「RICOH THETA」
編集アプリ「THETA+」
360度カメラ「RICOH THETA SC2」で撮影した写真
それでは、RICOH THETA SC2で撮影した写真をいくつかご紹介いたします。
1枚の360度写真から切り出す様々な視点
以下に掲載した全4枚の写真は、1枚の360度写真から切り取った風景です。編集アプリを使うことで、あとから撮影した写真を自分好みのアングルで編集することができます。
上記4枚の元になった写真が以下のものです。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
湖に浮かぶデッキにて撮影しました。
天気は雲一つない快晴です。
写真を撮影するまでは、晴れていた方がいい写真が撮影できると思っていましたが、青空+雲が少し写っている方がアクセントになってより面白い写真が撮影できそうです。
360度カメラだからこそ楽しめる画角がたくさんありますね!
他にも、同じ場所で撮影した360度写真がありますので以下に掲載しておきます。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
自撮り棒に取り付けたカメラを頭上に掲げて撮影しました。
夕暮れ時の湖を臨場感あふれる大パノラマで楽しめます。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
こちらは自撮り棒に取り付けたカメラを手すり付きスロープに向けて撮影しました。
リトルプラネットというモードで編集してみると万華鏡のような写真ができあがりました。
360度カメラは、ローアングルからハイアングルまで高さを変えると違った風景が撮影できるから面白いですね!
「電車内」を360度カメラで撮影する
1両の全長が20メートルある電車内で撮影してみました。
ドア、窓、座席、つり革、中吊り広告など、様々なものが付いている電車内ならではの写真が撮影できました。
今回は私1人で撮影していますが、家族や友人と対面に座って撮影してみると、より楽しい写真が撮影できるのではと思います。
自分の真正面に自撮り棒を突き出して撮影すると、こんな写真も作ることができます。下半身、特に足元が大きく写り、面白おかしい写真ができました。
「建物内」を360度カメラで撮影する
建物内を360度カメラで撮影してみました。
広い場所であれば建物内での撮影も面白く撮影できます。
駅のコンコース、ホテルのロビー、フェリーのエントランスなどでは、スペースが広い上にオブジェクトや装飾品が多くあるため、映える写真が撮影できます。
豪華客船のロビーとか最高に映える写真が撮れると思います!撮りたいです!
「橋の下」を360度カメラで撮影する
少しマニアックですが、高速道路のジャンクションやインターチェンジなどで道路が入り混じっている場所で360度撮影するととても面白い写真が撮影できるのではないでしょうか。
残念ながら今回はそういった場所で撮影する機会が無かったので撮影していませんが、雰囲気が似ている高架橋の下にある空き地で撮影してみました。
個人的には、こういった場所は昼間より夜間に撮影する方が素敵な写真が撮影できる気がします
「夜景・星空」を360度カメラで撮影する
RICOH THETA SC2では、夜景・星空も撮影することができます。
手ブレを防止するため、カメラ本体をどこかに置いて撮影するか、三脚を使って固定して撮影する必要がありますが、シャッタースピードを遅くすれば暗い場所でもキレイに撮影することもできます。
マニュアル(M)モードを使用して、シャッタースピードを30秒~60秒程度設定、ISO感度は低めの数値ISO100前後に設定して撮影します。
一度撮影してみて、明るすぎると思ったらシャッタースピードを速く、暗すぎると思ったらシャッタースピードを遅くして撮り直してみましょう。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
白金平展望台からの星空 – Spherical Image – RICOH THETA
写真を見て思った方もいると思いますが、RICOH THETA SC2を使用しての夜景・星空撮影に関しては、写真上のノイズがどうしても少し目立ってしまいました。
少々値は張りますが、同じRICOHから発売されている360度カメラ「RICOH THETA Z1」は夜間撮影にも強いので、夜間撮影をメインに楽しみたい方は「RICOH THETA Z1」の利用を検討してみるのもいいでしょう。
360度カメラ「RICOH THETA SC2」を使ってみて思ったこと
今回、360度カメラ「RICOH THETA SC2」を使ってみて、思ったこと・感じたことを以下にまとめてみました。
RICOH THETA SC2:良かった点
▼良かった点
- 軽くて扱いやすい
- 操作が簡単で撮影がしやすい
- 普通のカメラでは撮れないアングルで撮影できて面白い(撮影の幅が広がる)
オート機能が備わっているので、適当にシャッターを押しても、キレイに写真が撮れるくらい扱いやすいカメラで初心者にも優しいカメラだと感じました。
専用アプリも操作方法が単純で分かりやすい仕様になっていたのも良いと思います。
RICOH THETA SC2:気になった点
▼気になった点
- microSDカード等の外部メモリに記録出来たらよかった
- 動画のスマホ転送に時間がかかる
動画を4Kで3分キッチリ撮影した後に、データをカメラ本体からスマホに転送完了するまでの時間が3分以上かかりました。RICOH THETA SC2を使ってみてこの点が一番不便だなと感じた点です。
ただ、パソコンを所有していれば直接カメラ本体とパソコンをつないでデータの移動ができるので、データ移行に関してはパソコンを使うことで、この問題を解決することができます。
まとめ:360度カメラって凄いし面白い
初の360度カメラはとても新鮮でした。
- 現地で撮影する時は、アングルを決める楽しさ、シャッターを押す楽しさ
- 写真を撮影した後は、写真を見返す楽しさ、アプリを使って360度写真を編集する楽しさ
1回の撮影で2度3度、それ以上にたくさん楽しむことができました。
カメラ本体が非常にコンパクトなので、ズボンのポケットに入れて持ち運べるので移動がメチャクチャ楽でした。
通勤や通学で使うカバンに入れておいても邪魔にならないので、普段から持ち歩いて、ここぞと思った時にすぐに撮影できると思います。
360度カメラって新鮮で面白い!楽しい!
360度カメラ RICOH THETAシリーズは、全部で4種類が発売されています。
- RICOH THETA Z1:2019年5月発売、最上位モデル
- RICOH THETA V:2017年9月発売、上位モデル
- RICOH THETA SC2:2019年12月発売、初心者向けエントリーモデル、SC後継機
- RICOH THETA SC:2016年10月発売、初心者向けエントリーモデル
360度写真でインスタ映えも狙えます!
写真が好きな方なら1つ持っていても損はないのでは?
今回の記事で使用した撮影機材は、以下の機材です。