埼玉県入間市、小高い丘の上にお城の様な建物が建っています。
その名は「国民宿舎 入間グリーンロッジ」。
探索日:2015年07月
国民宿舎 入間グリーンロッジ
1971年7月1日に開業し、経営不振で2002年3月31日に閉鎖した入間市のシンボル的建造物です。
場所は、西武池袋線の仏子駅から徒歩5分、入間市立西武中学校の裏手。
通りから建物へと続く道が延びています。
登山道にも続いているので敷地内でも常時開放。
では、さっそく登ってみましょう。
登りはじめるとすぐに広場があります。
駐車場だったのでしょうか。
さらに登ります。
ちょっとした急勾配を登ると
おや、見えてきましたね。
実はこのグリーンロッジ、郵便局で頼むと郵便物に押してもらえる「風景印」になっているんです。
閉鎖されて数年建っているにも関わらず、今でも風景印として使われているのが納得できます。
入口脇の表札。
シャレオツ感を出しているのでしょうか、文字の大きさ・位置にばらつきが。
建物の入口には「老朽化のため立入禁止」「極めて危険立入禁止」の張り紙。
現在は、機械警備をしており、毎年警備会社に約40万円程度支払っている様子。
閉鎖して10年以上は経っていますが目立った外傷もなく、比較的キレイな状態です。
こんなグリーンロッジですが、既に解体されることが決定しているようです。
が、解体に数億円の費用がかかる見込みで、いまだ解体には至っていません。
以下、2007年2月7日の埼玉新聞より引用
入間市仏子の旧国民宿舎「入間グリーンロッジ」が閉鎖されてから三月で五年を迎える。西洋のお城風の外観が印象的な建物は一時、民間への売却も検討されたが、老朽化のため解体が決まった。しかし、解体費用約一億円がネックになり、いわゆる「塩漬け」状態が続いている。市は早急に解体したい意向だが、財政事情が厳しい中、時期は決まっていない。新度予算案に関連予算は計上されない方針だ。入間グリーンロッジは一九七一年七月、緑豊かな加治丘陵の斜面に建設された。敷地面積約一万二千七百平方メートル。鉄筋コンクリート、地上六階、地下二階。総工費一億七百万円。外観は洋風ながら、内部は畳敷きの部屋が多く、ゆっくりくつろぐことができる。娯楽室や浴室、大宴会場もあり、最盛期には年間約二万人が訪れた。しかし、平成二年度のピークを境に、徐々に利用者が減少。〇二年三月末、閉鎖された。建物は空き家になったものの、放火対策などセキュリティー費用として警備会社への委託など年間維持管理費約三十七~三十九万円が、かかっている。建物の解体には、新たに見つかったアスベスト対策も必要になった。約一億円の解体費ねん出に市は頭を抱えている。売却の検討や跡地利用については、市議会の一般質問でたびたび取り上げられているが、決まったのは解体だけ。その後の具体的な青写真は示されていない。十二月議会で、解体後の跡地利用について、木下市長は「もとの丘陵の姿に戻すのが理想だが、いまの財政状況で所有していくのもいかがなものかと悩んでいる」と話している。担当の商工課によると、学校などへの耐震補強など早急に取り組むべき予算を優先させているため、解体費に手が回らないという。その上で「厳しい財政事情にあるが、できるだけ早く解体したいのが市の願い」という。
※入間グリーンロッジは2018年に解体されました。現存していません。
解体直前に当時の入間グリーンロッジで使用していた備品の展示会が行われました。館内着やパンフレットなど、当時の貴重な資料が公開されました。以下の記事にてご紹介しています。