東京駅から電車で約2時間、終点の奥多摩駅からバスで約30分揺られると見えてくるのが「奥多摩湖」。
奥多摩湖(正式名称:小河内貯水池)は周りが山々に囲まれており、ツーリングやドライブ、秋には紅葉などの観光名所として知られています。
しかし、廃墟ファンにはそれとは別の”物件”があることで名所として知られています。それが「奥多摩湖ロープウェイ」です。
奥多摩湖ロープウェイの正式名称は”川野ロープウェイ”といい、小河内観光開発株式会社が1962年(昭和37年)から1966年(昭和41年)まで約4年のみ運行していたロープウェイです。
運行を停止してから約50年経った今でも、ひっそりと取壊されずに残っています。
探索日:2016年05月
奥多摩湖ロープウェイ「三頭山口駅」
今回訪れたのは2つある駅のうちの1つ「みとうさんぐち駅」。
奥多摩周遊道路の入口にある駐車場付近に山道へと続く階段があります。
その階段を上ると、茂みの中に廃墟が姿を現しました。
みとうさんぐち駅です。
中に入ると目の前がチケット売り場。
幾度とこんなやり取りが繰り返されたでしょう。
「おばさん、大人1枚」
私も、心の中でそう言って探索を続けます。
乗り物に乗る前にはお手洗いに行っておきましょうか。
すっきりしたら手を洗って、いざ!
三頭山口駅の改札
先ほど買ったチケットを改札で渡した、というつもりで通ります。
ふと壁を見るとロープウェイの詳細がありました。
(三線交走式普通索道とは、普通の鉄道でいうレールにぶら下がった2台のゴンドラが、曳索とよばれるロープに引っ張られて動くという構造のこと。)
50年以上ぶら下がる廃ゴンドラ「みとう号」
50年経った今でもしっかりとロープにぶら下がっているゴンドラ。
O:おうごうち K:かんこう K:かいはつ の略でしょうか。
劣化して薄れていますが、ゴンドラの検査表記も発見できました。
こちらは何かのスイッチでしょうか。
劣化が激しくてサッパリわかりません。
建物の周りも見てみましょう。
入口の脇に「屋上展望台登り口」と書かれた看板とともに階段がありました。
辛うじて見えてのがロープウェイの支柱と奥多摩湖。
木々に隠れて確認できませんでしたが、対岸には川野駅があります。
以前は川野駅にも入れたようですが、駅へと続く道自体が現在立ち入り禁止となっており行くことができません。
今回訪れた三頭山口駅はとくに規制も無く自由に入ることができました。
役場でもここへの立入が黙認されているようですが「入るなら自己責任」、まくまでもグレーゾーンとなっています。
この場所に1時間ほど滞在しておりましたが、滞在中に同じ目的と思われる4組8名程度の方と遭遇しました。
冒頭でも書いたように廃墟ファンの間では「一度は訪れたい」という観光地化している場所になっています。