夏の風物詩といえば、夜空に大きく打ち上がる「花火」です。
今回は、上手に撮れる花火の撮影方法について、以下の内容でご紹介いたします。
- 花火の撮影に必要な機材
- 花火撮影のためのセッティング
- 花火をスマホで撮影する方法
花火の撮影は、打ち上がる大きさや種類によってカメラの設定を変える必要がありますが、撮影の基本を押さえておけば大丈夫です。
事前知識が「ある」と「ない」とでは撮影結果が大きく左右されます。ぜひ最後まで読んで、知識をつけて撮影の成功率をアップさせましょう!
花火の撮影に必要なカメラ機材について
花火を撮影するためには、以下の3つの機材が必要です。
- カメラ
- 三脚
- レリーズ
それぞれの機材の必要性について、以下で詳しく解説していきます。
花火撮影に必要な機材1「カメラ」
花火撮影では、長時間露光ができるカメラが必要です。
一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ
シャッタースピードを自分で設定できるカメラが必要で、「一眼レフカメラ」や「ミラーレスカメラ」があれば基本的にOKです。
デジタルカメラ(デジカメ)・コンパクトカメラ
「デジタルカメラ(デジカメ)」や「コンパクトカメラ」の場合は、シャッタースピード&絞り値を自分で設定できるマニュアル撮影モードと、ピントの位置を自分で合わせるマニュアルフォーカス(MF)が付いていればOKです。
使い捨てカメラ
「写ルンです。」等の使い捨てカメラでは、花火を上手に撮影することはできません。
スマートフォン(スマホ)
iPhoneやAndroid等の「スマートフォン」で撮影したい場合は、長時間露光が可能なアプリを使用します。
花火撮影に必要な機材2「三脚」
花火撮影では、ブレを無くすための三脚が必要です。
長時間露光をする場合には、カメラを動かしてはダメなため必ず三脚を使います。
シャッターを切っている3秒間や5秒間、カメラを1mmも動かさずに持っていることは不可能ですよね?
風が吹いてもブレないように、できるだけ大きくずっしりとした重さのある三脚を使うのが好ましいです。
基本的には「小さい三脚」や「軽い三脚」でもカメラがブレずに撮影できれば問題ありません。柱などに巻き付けて固定するゴリラポッド等の「ミニ三脚」でもブレずに撮影できればOKです!
もし三脚をお持ちなら、試しにベランダから夜景を撮影してみましょう。ブレずに撮れていればOKです!
花火撮影に必要な機材3「レリーズ(リモコン)」
カメラ本体に指を触れずにシャッターを切ることができる「レリーズ」や「リモコン」があると便利です。
無くても撮影は可能ですが、用意すると撮影成功率が上がります
花火撮影では、カメラがぶれてしまった瞬間、その撮影カットは失敗となります。
カメラ本体のシャッターを押した反動で、カメラがブレてしまう可能性があります。カメラ本体に直接触らずにシャッターを切れるレリーズ等を使うことが好ましいです。
【オススメ】ロワジャパン「タイマー機能付きレリーズ」(一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ)
一眼レフカメラやミレーレス一眼カメラを持っている方で、新たにレリーズの購入をするのであれば、ロワジャパンのタイマー付きレリーズが安くてオススメです。
純製品は1万円以上するので、頻繁に使う訳ではないなら充分かと思います。
Canon用・Nikon用・PENTAX用などに分かれています。購入する際は、自分が使用しているカメラに対応しているかをよく確認した上で購入しましょう。
私もロワジャパンのレリーズを使っています
花火撮影に出かけましょう!
機材の準備ができたら、花火の撮影に出かけましょう!
花火大会の会場に到着したら、以下の手順で撮影準備をします。
- 三脚をセットする
- カメラを固定する
- ピントを合わせる
- 撮影を開始する
その花火大会の過去の写真をネットで調べて、打ち上がる場所や大きさなどを把握しておくと、スムーズに撮影できます
花火を撮影する時のカメラの設定は、以下を基本としておきます。
- フラッシュ:OFF
- 手ブレ補正:OFF
- ピント:マニュアル(MFモード)
- シャッタースピード:3秒~30秒
- 絞り:F10 前後
- ISO感度:ISO100~ISO200 程度
一度に打ち上がる花火の数・大きさ・明るさによって、設定を変更する必要があります。基本的には、シャッタースピードを調整することで対処します。
この調整は、場をこなして慣れるしかありません
花火の撮影方法1. カメラの設定
フラッシュはOFFにする
花火撮影ではフラッシュは使いません。
フラッシュは、被写体に光が反射することで明るく撮影できる仕組みです。撮影場所から数キロ離れた花火にはフラッシュの光は届きません。よって、フラッシュを焚く意味がありません。
また、周囲で花火を見ている人や撮影している人の迷惑になるので、フラッシュを使うのは止めましょう。
花火撮影のプロは、フラッシュは使いません!
手ブレ補正はOFFにする
最近のカメラやレンズには、手ブレ補正機能が備わっている製品があります。
三脚にカメラを固定して撮影する場合は、手ブレ補正の機能はOFFにします。
手ブレ補正機能の性能上、カメラを三脚に固定した状態で手ブレ補正機能がONになっていると誤作動を起こし、逆にブレが発生してしまうことがあります。
手ブレ補正機能をOFFにするのは忘れやすいので注意しましょう!
ピントはマニュアルモードで固定する
ピントは以下の手順で合わせます。
- 一発目に上がる花火を使って、オートフォーカス(AFモード)でピントを合わせる
- ピントが合ったら、マニュアルフォーカス(MFモード)に切り替える
- ピントを動かさずに撮影を続ける
花火が打ち上がる場所は、基本的に変わりません。一度ピントを合わせてしまえば、その後に打ち上がる花火にもピントが合います。
オートフォーカスのまま撮影を続けていると、意図しない場面でピントが動いてしまう可能性があり、シャッターチャンスを逃しかねません。
一度オートフォーカスでピントを合わせたら、マニュアルフォーカスに切り替えておきましょう。
花火の撮影方法2. 露出設定をこまめに変える
ピントが合わせ終わったら、撮影を始めましょう。
花火撮影では、打ち上がる大きさ・明るさ・数などによって、シャッタースピードを臨機応変に変更する必要があります。
以下の設定を基準値として、必要に応じて、シャッタースピードや絞りを変更して撮影します。
- シャッタースピード:3秒~30秒
- 絞り(F値):F10 前後
- ISO感度:ISO100~ISO200 程度
それぞれの特徴は以下の通りです。
特徴 | |
---|---|
シャッタースピード(SS) | 秒数を長くする:明るく撮影できるが、ブレやすい 秒数を短くする:ブレにくい |
絞り(F値) | 値と大きくする:背景にもピントが合いやすいが、暗くなる 値を小さくする:背景がボケる |
ISO感度 | 値を大きくする:明るく撮れるが、ノイズが出る 値を小さくする:ノイズが出にくい |
単発で上がる花火を撮影した設定のまま、終盤の無数に上がる花火を撮影した場合、眩しすぎて真っ白な失敗写真ができあがります。
シャッタースピードを早めたり、絞りの数値を大きくするなどの臨機応変な対応が求められます。
iPhoneやAndroid等のスマートフォンで花火を撮影する方法
- Qスマホでも、キレイに花火を撮影することはできますか?
- A
夜景撮影用のアプリを使えば撮影できます。
スマホに最初から入っているデフォルトのカメラアプリでは上手に撮影することができないことがありますが、長時間露光が使えるアプリをダウンロードすることで、花火をキレイに撮影できます。
アプリをダウンロードして、スマホを三脚に固定して撮影しましょう。
花火が撮れるスマホアプリ
長時間露光が可能なスマホアプリを以下に載せておきます。お好みに応じてダウンロードしてください。
夜景カメラ
Final Cut Camera
- iOSを利用している方
- Androidは非対応
Camera FV-5 Lite
- iOSは非対応
- Androidを利用している方
上手に見えるコツ:風景と絡めて撮ってみる
花火の撮影というと、どうしても花火を単体で撮影したくなりますが、周りの風景と花火を一緒に撮影することで“作品”感が強まります。
- 東京タワーやスカイツリーなどのランドマークと絡める
- 街並みを入るために展望台など高い場所から俯瞰する
単体で撮るよりも風景を入れることで、どこで撮影した写真なのか直ぐに分かる点も良いです。
花火をメイン会場で撮るのも良いですが、少し離れた場所から撮る選択肢も考えましょう
まとめ:花火を上手に撮影する方法は「露出設定」
花火撮影では、必ず「三脚」を用意し、「レリーズ」も使うことで、上手な写真を撮影することができます。
あわせて、カメラの露出設定が出来栄えを大きく左右します。
▼基本の露出設定
- フラッシュ:OFF
- 手ブレ補正:OFF
- ピント:マニュアル(MFモード)
- シャッタースピード:3秒~30秒
- 絞り:F10 前後
- ISO感度:ISO100~ISO200 程度
打ち上がる花火に応じて、「シャッタースピード」「絞り(F値)」「ISO感度」を適切な値に設定できるよう、撮影回数を重ねて、感覚を掴んで慣れていくことが大切です。
何回か撮ってるうちに、上手になっていきますよ!
私が普段から使用しているカメラ機材は、以下の関連記事にてご紹介しています。参考にしてみてください。