2022年3月25日(金)から2022年のプロ野球シーズンが開幕しました。
初日の開幕戦を記念して、埼玉西武ライオンズの試合が行われる西武ドーム(ベルーナドーム、旧メットライフドーム)上空では、航空自衛隊のブルーインパルスによる展示飛行が行われました。
今回は、25日に行われた本番と、前日24日に行われた予行の様子をご紹介いたします。
-夢、希望、感動、笑顔を- GO!ライオンズ! Supported by 航空自衛隊ブルーインパルス
今回のブルーインパルスの展示飛行は、昨年2021年に中止となってしまった分のリベンジという形で開催されました。
西武ドーム ブルーインパルス【前日予行】ベルーナドームにて
ブルーインパルスが展示飛行を行う場合には、事前に会場で予行練習を行うことが基本となっています。今回も本番の前日に予行練習が行われました。
予行練習は、本番と同時刻15時20分~40分頃でした。
予行で実施された課目は以下の通りです。
- デルタ・ダーティー・ローパス
- フェニックス・ローパス
- サクラ
- レベルキューピッド
- 720度ターン
- サンライズ
ベルーナドームだと判明できるモノと絡めて撮影しました
西武ドーム前の広場からブルーインパルスを撮影する
3月に「メットライフドーム」から「ベルーナドーム」へ名前が変更された西武ドーム。駅前広場もキレイにリニューアルされ、入場ゲートにはベルーナドームの大きな看板が付きました。
『そこから来るのかい!』という想定外の進入角度でやってきたブルーインパルス。ベルーナドームの看板、開幕戦の看板を絡めて1枚目。
進入角度が把握できたので「ベルーナドームの看板」と「Saitama Seibu Lionsの看板」を絡めて2枚目。
曇ってしまったのが残念ですが、ベルーナドームの上空に大きなサクラが咲きました。(近すぎて収まっていませんが…)
最後はサンライズで〆。
通過飛行だけかと思いましたが、色々やってくれました
西武ドーム ブルーインパルス【本番当日】多摩湖(村山貯水池)にて
本番当日は、多摩湖(村山貯水池)の天端から西武園ゆうえんちの遊具などを絡めて撮影することにしました。
本番当日に実施された課目は以下の通りです。
- デルタ・ダーティー・ローパス
- フェニックス・ローパス
- リーダーズ・ベネフィット・ローパス
- スワン・ローパス
- グランド・クロス・ローパス
予行とは異なり、3課目目以降の課目が変更され、全て通過飛行のみとなりました。
これはブルーインパルスの飛行空域上空に、朝日新聞のヘリコプターが飛んでいたためにやむを得ず変更されたものです。
雲一つない快晴だったのに、サクラが見られなくて残念…。
多摩湖の天端からブルーインパルスを撮影する
本番当日は、多摩湖の天端からブルーインパルスを撮影しました。
ここでの狙いは
- 西武園ゆうえんちの観覧車
- 西武園ゆうえんちの富士見天望塔
- 西武ドーム(メットライフドーム)
- 多摩湖 第一&第二取水塔
とブルーインパルスを絡めて撮影することでした。
まず最初は、観覧車と一緒に。
スモークを吐く位置が手前だったので縦アングルで撮影。
振り返って、多摩湖と西武ドーム。
今度は横アングルで観覧車。
ここから以下、演目変更。
「サクラ」がキャンセルされて「リーダーズ・ベネフィット・ローパス」。
遊園地の富士見天望塔と絡めて。
撮影当日の1週間ほど前に、西武園ゆうえんちの富士見天望塔が故障しました。
この故障の影響により、乗客が搭乗するキャビンが支柱の中間地点で停止していたため、写真の見栄え的には良い形で撮影できました。
(本来であれば稼働していない時は、キャビンが地上に降りていて木に隠れてしまいます。)
多摩湖と言えば、第一取水塔と第二取水塔が一緒に写っている写真がお馴染みです。
ということであれば、その構図内にブルーインパルスが飛んでいるところを撮影したくなるものです。
ということで、狙い通りの写真を撮影することができました。
この後、ブルーインパルスは「グランド・クロス・ローパス」でもう一度上空を通過し、終演となりました。
課目変更があったものの、最終的には撮影したい構図は全て抑えられたので、結果オーライという形になりました。
朝日新聞のヘリコプターが空域侵犯で課目変更!?
先に記載した通り、朝日新聞のヘリコプターが原因でブルーインパルスの課目が急遽変更されたことは事実です。
「ブルーインパルスのフライト空域に、ヘリコプターが侵入したから課目変更されたんでしょ?」と思う方も多いと思いますが、実はそうではありません。
通常、ブルーインパルスが曲技飛行や展示飛行を行う場合には、事前に「この場所」「この時間」で「**を実施する」という告知が出されます。
ブルーインパルスが飛行する時に限らず「花火が上がる時の注意喚起」「入学式・卒業式・入試などの実施時間帯の離着陸禁止」「要人来日時間帯の離着陸禁止」など、NOTAMという通達が出されます。
これは世界中のパイロットが飛行する前に必ず目を通す必要があるものなのですが、今回のブルーインパルス飛行の際には、以下のNOTAMが出されていました。
E)AIR DISPLAY:
1.FLT AREA : WI A RADIUS OF 15KM(8NM) OF 354606N1392513E
2.USING ACFT: T4 X 6(MAX)
3.RMK : SOURCE/JSDF-A(RJST)
F)1500FT AMSL G)6000FT AMSL
簡単に要約すると「西武ドームを中心に半径15km圏内、1500~6000フィートの高度、最大6機のT-4が飛行する」と書かれています。
今回注目する点は、1500~6000フィートという点です。
1500~6000フィートには入らないでね!
つまり、6001フィート以上であれば、空域外であるため飛行しても大丈夫なのです。
実際、朝日新聞のヘリコプターは6100フィート付近を飛行していたため、空域を侵犯したことにはなりません。
朝日新聞側は、6000フィートじゃなくて6100フィートだから問題ないでしょ?と言っているわけです。
では、何故ブルーインパルスはヘリコプターが空域侵犯をしていないのにもかかわらず、課目を変更したのでしょうか?
エンジントラブル等、何らかの理由でヘリコプターが空域内に高度を下げる可能性があるからです。
この6100フィートという高度に問題があり、100フィートは約30メートルです。僅か30メートルしか離れていないのです。
これが仮に8000フィートを飛んでいたのであれば話は変わってきますが、空域スレスレを飛行していたという行為に危機感を覚え、ブルーインパルスは仕方なく課目を変更したという流れになります。
YouTubeにブルーインパルスが朝日新聞のヘリコプターの飛行位置を頻繁に気にしている様子が上がっていましたので、貼り付けておきます。